安藤裕子 15th アニバーサリー

彼女に出会った頃のことを私はもうよく覚えていない。

 

ただ、次に覚えているとき、私は病に伏し、指先を動かすのも不自由だった

その時によく耳にしていたのが

 

六月十三日、強い雨

隣人に、光が差すとき

Lost,child

この3曲だったと思う

 

音楽ってその人によって解釈が色々あっていいと思うし

それぞれの使い方が合っていいと思う

 

私は、内面が凄く両極端で

死や命を考える私と、言葉にこだわる私と、

そして陽気な私と、ひどく静かな私がいる

要するにめんどくさいし、根暗な小人が住んでいる

 

 

病で何もできなくなった私に

その時、うまれてはじめて嫉妬に駆られたりして

出来ない自分を嘆いたり

時にいのちを消してしまおうとか、運命を呪ったり、全てを呪ったのを覚えている

それをすんでのところで止めてくれた1つの音楽が彼女の音楽だった。

 

 

去年、運命に導かれたように、「夜明け前」の開催を知った

しばらく活動がゆっくりだったのを分かっていた

でも、複数好きな私には、それはいいことだった、マイペースでいいんだよと

でも、そのチラシに書いてあることは「もう歌くなったけど頑張る」というものに近かった。

 

私の知る限り、そんなことはきいたことが無かった

 

でも、それは「夜明け前」で今思うと、端々に出ていた

向き合いたいのに向き合いきれない、どこかのこる何か、その違和感とか心細さ

壊れてしまいそうな何か 儚さを超えた孤独

 

1年の月日がたち、私も、色んなことがあった

15周年を彼女がどう迎えるのか、私も何を感じるのか

 

私には共感覚があり、味覚で音を感じたり、絵で見えたりする

今回の彼女は、こんこんと湧き出る水の様な音を奏でていた

 

それを感じた瞬間、私は 心から安心した。

あぁ、戻ってきた、安藤裕子の中のサリーが戻ってきた。と。

 

MCで彼女は、生活に色を付けたのは私たちとおっしゃたけど、ねぇやん、違うよ

 

私たちのそれぞれの生活に色を付けてくれたのは貴女

 

貴女の声、貴女の詩、貴女の音、貴女の歌、すべてすべて

私たちの生活にたしかに大きな力になってくれるの、

静かで柔らかくて力強い光なの。

 

安藤裕子、15周年、彼女の再生を確かに感じた瞬間でした